【感想】少女終末旅行 第9話

2017/12/02

少女終末旅行

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少女終末旅行 第9話

© つくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

 少女終末旅行、第9話の感想です。

今回は今までと少し雰囲気の違う回でした。OPEDも無かったし。

「技術」

 稼働し続ける自律機械

旅するふたりが立ち寄ったのは、いくつもの巨大な水槽群。そこで、施設を管理している自律機械と出会います。

人類が去った後も稼働を続けている自律機械。SFでは定番のネタですね。

高度に発達した機械と人間の関係、というのは様々な作品で描かれています。大概は戦争に発展してディストピアな世界になってしまうような気もしますが。「ターミネーター」とか「マトリックス」とか。

古代人の作った自律機械は、人間とのコミュニケーションを十分齟齬なく行えるようです。この都市を築いた時代には、相当な科学技術が存在していたことが伺えます。

そういえばさらっと、「人間以外の生き物はいない」と言ってましたね。そこまでこの星は壊れてしまったのでしょうか。

「水槽」

巨大な水槽を管理する施設

巨大な水槽は、かつては大量の水棲生物を飼育管理していたようですが、現在はもう魚一匹だけ。繁殖も困難でしょうし、もはや絶滅を待つのみという状態でしょうか。

水槽は全部で100個以上とのことなので、結構な大きさの施設だった模様。また、水槽の下を歩く通路がありましたが、もしかすると遊覧目的の出入りもあったのかもしれません。

泳ぐふたり、性格の違い

どうやらふたりとも、足の届かない深さで泳ぐのは初体験の模様。それでも素早く適応するユーリ、それがまた彼女っぽい。チトが適応できないのもまた。

全裸遊泳という実写なら放送できない清々しさのユーリ、自律機械とはいえ他人がいるため下着で泳ぐチト。これもまた性格の違いが分かりやすく出ています。機械のカメラなんてどこに繋がっているか分からないからね、仕方ないね。そんなことまでは考えていないでしょうけど。

「生命」

地球と都市と生命と

この都市は、様々な生活インフラを自給自足で賄えるように設計されているようです。かつてひとつの生命だった地球の上に誕生した、都市という名の生命だと。

このあたりは、手塚治虫の「火の鳥」の影響が大きいように感じます。まあもはや漫画等の創作界隈では、基本中の基本となるような作品ですから。

「火の鳥 未来編」では、荒廃した地球と5つの地下都市(メガロポリス)が登場していました。ディストピア的な世界観や都市設定、特に今回の「地球と都市と生命の話」は結構そのまま「火の鳥 未来編」で語られていた設定かと思います。「地球はひとつの生命」という話も確かありましたし。

そういう意味では、少女終末旅行という作品自体、元をたどれば「火の鳥」の影響が大きいんでしょうね、たぶん。

大きな機械と爆弾と

施設の破壊を防ぎ魚を守るため、大きな機械を爆破するユーリ。以前入手した爆弾、ここで役に立ちました。

ユーリも理解していたようですが、本質的にこの大きな機械が悪者、というわけではないんですよね。小さな機械も大きな機械も、自分の仕事を全うしていただけで。今回はたまたま大きな機械の行動が「この施設に残った唯一の生き物である」魚を脅かしてしまった、というだけ。

何も考えていないようで、感受性が高く本質を見れているのが、ユーリという少女なのかもしれません。

まとめ

今までと雰囲気が異なる第9話でした。人間と機械、というテーマは、AI等の発達により今後実際に起こりうる問題かもしれません。そんなところまで考えされられるようなお話だったように思えます。

あ、少女週末授業はやはり自律機械(小さい方)が教師役でしたね。さらに魚も一匹追加され、なんだか賑やかになったような気がします。

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