【感想】少女終末旅行 第12話

2017/12/23

少女終末旅行

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少女終末旅行 第12話

© つくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

 少女終末旅行、第12話の感想です。

いよいよ最終話。

「接続」

残された遺跡の中で

前回の続きから、原子力潜水艦らしきものの中を捜索するふたり。道中見つけたチョコレート、保存が効いているようでなにより。

そういえばこの冒頭でのカメラ日付は、「3231.03.23.12.15」でした。

かつての記録とかつての記憶

カメラが大画面に接続され、今まで撮影された画像や動画が投影されていきます。それはかつて人類が繁栄を極めていた、チトとユーリにとっては全く別の世界の物語。平和に生活している同じ世代の少女たち、とてつもなく多くの人々。そして世界はゆるりと戦争へと向かい、いとも容易く世界は終焉へと向かっていったようです。

発達した文明と平穏の上に築かれていた個人の幸せと、それらを無慈悲に奪い去る戦争という行為。今までもこういう描写は多少出てきましたが、最終話になって(核兵器のことも含め)かなりこの辺りに触れてきているような気がします。

……ところでこの戦争描写で例のロボットが闊歩しているシーン、やっぱ巨神兵のオマージュですかねぇ。後述しますが、そのあたりからの影響が大きそうな。

「仲間」

この惑星の果て

突然現れた謎の生命体に飲み込まれるユーリ、それを追うチト。その先で遭遇した謎の生命体たち。どうやらヌコの成体のようです。ふたりは彼らの役割とこの惑星の現状を教えられます。

曰く、彼らはこの惑星の浄化を行う生物とのこと。かつて人間たちが作成した武器や弾薬、核、機械を飲み込み、その後に惑星を眠らせるとのことです。

つまり彼らにとって、今は惑星を眠らせる前の浄化中ということでしょうか。浄化が完了し次第、この惑星は長い眠りに入る、と。

惑星の眠り、それはつまり世界の終わり。他の場所がどうなっているのかは分かりませんが、もしかするとチトとユーリはこの惑星に生きる最後の人間なのかもしれません。

世界の浄化と都市の人々

汚染された地球の浄化、というと、有名所ではやはり「風の谷のナウシカ」が思い出されます。ナウシカも浄化中の惑星が舞台でありましたが、(当然ですが)雰囲気は大きく違いました。残った人類の数や惑星の置かれた状況の違いでしょうか。

最終話では、「この都市の中で、最上階以外で生きているのはチトとユーリしか観測していない」というセリフがありました。そうすると、ふたりが別れてきたおじいさん達やカナザワ、イシイは死んてしまったのでしょうか。それとも、彼らが観測していないだけで生きているのか、はたまた都市を出ることができたのか。

それと、彼らが最上階を観測していない理由は何かあるのでしょうか。兵器を浄化して回る以上、少なくとも「兵器がないこと」を確認するために観測しそうなものですが。その辺りの謎は、今回では回収しないようで。

それでも変わらずふたりは生きる

そうしてまたふたりとなり、それでも旅は続いていきます。ふたりがこの都市で、あるいはこの惑星で生きている限り。とりあえずは最上階を目指すとのことですが、いずれ本当に月にまで行ける日が来るのかもしれません。

まとめ

今回で最終回となりました、少女終末旅行。雰囲気アニメになるかと思いきや、しっかりとした描写や遊び心も多く、非常に楽しめる作品だったと思います。やはりスタッフやキャスト、そして原作者の思い入れが強いのかもしれませんね。

今回は1クールとなりましたが、続編を期待してもいいのかな……? 原作ストックはあるでしょうし、続きは作れる終わり方だと思うので、期待しながら待ってみようかと思います。

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