【感想】ダーリン・イン・ザ・フランキス 考察3

2018/06/18

ダーリン・イン・ザ・フランキス

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 考察3回目(~21話)

©ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会

考察2を書いたばかりですが、21話でも様々な情報開示がありましたので考察の追記をしてみます。

叫竜人とVIRM

叫竜人の辿った進化

21話にて、叫竜の姫より過去の出来事が語られました。およそ6000万年前、人類がまだ誕生していなかった時代。地上で栄華を極めていた叫竜人たちに対し、宇宙よりVIRMと名乗る侵略者が襲来。肉体を持たない思念体であるVIRMは、叫竜人たちに対しても肉体を捨てるよう指示し、それを拒否したため両者間では戦争が発生。なんとかVIRMを退けた叫竜人でしたが、数百年続いた戦争のため人々は兵器(叫竜)と化してしまった。そしてVIRMの再襲来に備え、地中で永い眠りについた、と。

そしてその間、力なき叫竜はマグマエネルギーへと変容し、力あるものはエネルギーを取り込み更に強大な兵器へ進化した、ということになります。また、たった独り残った叫竜人である姫は、スターエンティティを起動できるのが叫竜人のみであるため、永きにわたる年月を独りで過ごしてきたそうです。

しかしフランクス博士により姫のクローン体であるゼロツーが造られたことで、スターエンティティ起動のための唯一の存在ではなくなりました。VIRMはそのために博士を利用しゼロツーを造らせ、姫の力なくしてスターエンティティを手中に入れようとしていたのです。

VIRMの思惑

そもそも、VIRMの思惑とは何なのでしょうか。スターエンティティについても、「フリングホルニと共に入手したいが無理なら星ごと破壊する」というスタンスであるため、星の支配やスターエンティティ奪取が絶対条件ではないようです。武器として使えるなら奪取し、使えないなら破壊する、というニュアンスでした。

おそらく、彼らの目的は「宇宙の秩序」を守るため、ということでしょう。となると疑問は、スターエンティティ(=生命の塊)がなぜ宇宙を脅かすのか、という点。

これについては今後VIRMとの対話で明かされそうですが、彼らが肉体を持たない思念体であり、繁栄している生物に対しても肉体を捨てることを強要しているということは、「天元突破グレンラガン」における螺旋力のような概念が関係しているのでは、というように思えます。

生物の生きる力である、生殖と進化。これがこの作品における重要なテーマであることは、様々なメタファーが示しています。もしかするとグレンラガンのアンチスパイラルと同じく、VIRMは肉体を持つ(=限界の無い進化の可能性を持つ)生物を弾圧しているのかもしれません。宇宙を守るため、という大義名分を纏い、まさに神を気取ることによって。

フランクス博士とナインズ

ヴェルナー博士の心情

フランクス博士ことヴェルナー・フランクがAPE、ひいてはVIRMの作戦を実行するうえで非常に重要な人物であったことは間違いない事実です。しかし一方、すべてが博士の思惑通り進んでいた、ということではありませんでした。作中でもAPEの決定に対し愚痴を言っているシーンが度々ありました。

19話の回想により、不老不死へと向かう人類に対する嫌悪やカリナ・ミルザとの悲劇、そして太古の文明と叫竜の姫との邂逅が描かれました。元来一般的な人間の倫理観を持ち合わせていなかったようですが、それでもどこか(ズレていたかもしれませんが)人間味を持つ、ある意味ロマンチストだったように思えます。21話での「ヒロとゼロツーを再び逢わせるためにゼロツーを13部隊へ置いたのか?」というゼロツーの問いには、ほぼ肯定とも取れるような返答をしています。彼女に対し行ってきたことを帳消しにしようとも思っていないようですが、贖罪の思いは強かったのでは。

そういえば、神話ネタが多い本作品ですが、ヴェルナー博士の名前はもしかするとインド神話のヴァルナからでしょうか。蛇(=叫竜の姫)と関連が深かったり、ストレリチア・アパスのネーミング(アパス=水、ヴァルナは水神)だったり。

ナインズ

これも21話にて、ナインズは「ゼロツーのクローン」であることが判明。しかし叫竜の血は受け継ぐことができず、結果として戦闘能力が高いコドモとして落ち着いた、という感じでしょうか。

他のコドモやゼロツーに対して常に上位に立つような言動の多かった彼らですが、それも自分達が特別な存在だという自覚のせいでしょう。それが実はゼロツーのコピー、しかも叫竜の血を持たない(=スターエンティティを起動できない)劣化品だということを知ってしまったら、どれほどのダメージなのか。まあ、既にパパたちに見捨てられ、ナインズも死屍累々となり、壊滅的に近いようですけど。このままピエロで終わるのか、それとも最期に見せ場があるのか。

そもそも、13部隊の面々も生命活動が危なそう(寿命?)な描写が多いですが、それはナインズも同じなのかもしれません。ナインズといえど、生命である以上死は恐れるもの。13部隊はオトナたちからの自立を宣言しましたが、ナインズはどのような運命を辿ることになるのでしょう。

まとめ

これまた情報量が多かった21話。残すところ3話となり、物語は終幕へ向けて佳境となっております。どのような結末となるのでしょうか。

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